ガチャ




静まり返った家…。







中にはいると、窓の外のベランダで、しゃがんでいる愛優がいた。









急いでベランダのドアをあける。








「何してんだッ」








「…………パパ…」








そう言う愛優の目からは、涙が溢れている。







「こっちこいよ」






「…や」







「ベランダで何してたの」









「……………」







「もう、私…無理」








愛優は俺の横をすり抜け、リビングへ走っていく。









「愛優ッ。待てって」








リビングに重ねてある洋服や、タオルを押し倒す愛優。









「愛優ッやめろッ」









泣きながら倒していく愛優は、いつもの愛優とは違っていた。









「愛優ッ!!」







腕を引き、抱きしめる






季蛍が、精神的に不安定になったときのように。








「やッ…パッ………」








「落ち着け、落ち着け愛優。」








「もうッ、私ッ嫌ッッ…」









「愛優、」









「どうして!?どうして私だけ、体壊すの!?

どうして学校休まないといけないの!?


なんで?なんでよ」








泣きながら、悲鳴のように叫ぶ愛優。







息は乱れ、苦しそう…。







「ッハァハァハァ………なんで…?ハァ…どう、して…ッハァ」











「わかった、わかったから」











「もう嫌だ!私…ッハァハァ……ケホケホ」












「落ち着け、わかったから…愛優。」











「……………」