病院で仕事をしているときも、愛優が心配だった。
運良く今日は外来もなかったので、良かった…。
そのとき…
嫌な予感がした直後、俺の携帯が着信を知らせる。
「もしもし、」
『もしもし、空川中学校2年C組の担任をしております。早坂と申します』
「あ、いつもお世話になっております」
「いえ。愛優さんのことで、ご連絡がありまして…。」
「あ、はい。」
「…先ほど、愛優さんがトイレで戻したようなのですが」
「…あ、はい」
「それでして、本日、養護教諭の者が午後からの出勤になっていまして…。
私たちの方で、早退した方がいいと判断させて頂いたのですが。」
「あ、そうですか…」
「はい。」
「じゃあ迎えに行きます」
「あの…。さっき愛優さんが学校を飛び出しまして…。
先ほどお宅にお電話したところ愛優さんはお家に帰っていました。
すみません…私たちの不注意で」
「あ、いや。勝手に登校した愛優が悪いんで。」
ほんとに。
「わかりました、様子みておきます」
「ありがとうございます。では、失礼致します」


