携帯を手に取り、季蛍への発信ボタンを押す。
プルルルル プルルルル
3コールぐらいしたところで、季蛍がでた。
「もしもし?」
「あ、季蛍?」
「ん?蒼?どうしたの?」
「…今大丈夫か?」
「あ、うん。朝ご飯?机の上に置いてあるよ?」
「…じゃなくて………」
「…どうしたの?」
「愛優……は?」
「…え?」
「愛優。」
「…部屋にいない?」
「……………いない。」
「…え、嘘…。私が家出るときにはいたんだけど…」
「靴もないし、まさかとは思うけどさ…。」
「え、学校…行ったとか…?」
「………」