コンコン
キーンコーンカーンコーン───
「琴、ありがと。授業行って?遅れちゃう」
「いいの…?大丈夫?」
「へーき。ありがとね」
「ん、わかった。お大事にね」
そう言って琴は走っていった。
養護教諭の先生に体温計をもらい、挟んだ。
どうせ早退だろうけど。
こんなに具合悪いんじゃね……
ピピピピッ ピピピピッ
「…あ。」
「何度だった?」
「8度です…」
「そっか…。どうする?お家にご両親いる?」
「………………わかんないです…。
あ、でも平気です。私自分で帰ります」
「……………そう?本当に平気?」
「はい。大丈夫です。そんなに具合悪いってわけでもないし」
嘘だけど。
「そう。わかったわ。じゃあ、お大事にね」
「ありがとうございました」