ガラガラガラ
「季蛍…?」
「………蒼」
季蛍は怒られると思っているのか、怯えて俺から離れていく。
「…なんで逃げる?」
「…………だ、って…」
「怒ったりなんか…しない」
「…え」
俺は季蛍の腕を引き、椅子に座らせた。
「季蛍、ごめん」
「……えっ」
「ごめん…俺が…季蛍を」
「なんでよ…」
「…………え?」
「なんで謝るの?今回は私から、自分の意思で離れたことなんだよ?
いけないは私なの。蒼も知ってるでしょ!?」
「季蛍が俺のことを頼れなかったのは、俺が患者さんのことに集中してほしかったんだろ?
季蛍のこと、いろいろしてて患者さんのち治療が怠ったらイヤだから。
季蛍は、患者さんのことと、俺のことを考えて引き下がった」
「………………」
「もっと、頼りやすい俺でなきゃダメだったのに」
「そんなことないッ」