「蒼、落ち着いてよく聞け。
季蛍さんは、誰よりも蒼のことを想ってる。
蒼のことを想って、行動した結果、こうなった。
これは、……………季蛍さんのせいじゃない。」
港くんは首を横に振る。
「蒼の持っていたICUに入っていた患者さん。
浜野さん…だっけ。季蛍さんは、蒼がその患者さんの治療に集中できるように、
自分は引き下がったんだ」
「………」
「………あ、季蛍さん…、さ。
俺の診察室、今開いてるからそこで休んでて?
あとで………………行くね」
私はゆっくりうなずいて、部屋を出て、港くんの診察室に向かった。