それでも、蒼は気にせず話を続ける。
「季蛍にとっての俺は、頼りないんだな?」
「違う…」
「俺より、高島の方が頼りにすることができる。」
「違うよッ…」
「俺に頼るより、体の辛さを我慢するほうが楽なんだな」
「だから違っ!!ケホケホ、ケホ」
「季蛍さんッ…」
港くんが近づいて、背中をさすってくれた。
「私は、蒼…の、こ、と……頼りにしたかった」
「ごめん。季蛍にとっての俺は、何もできなくて、季蛍さえ支えることのできなくて。」
「違っ……」
「季蛍は俺より高島の方がいいんだろ!?」
「蒼!!」
港くんが蒼を止めるように叫ぶ。
「落ち着けよ、蒼。」
港くんは真剣な顔で蒼を見つめる。