病院から戻ってきた蒼は、カルテを持ってきてくれて、私のデスク上に置く。
「蒼…?」
「……ん?」
「浜野さん…どんな感じ…?」
「あっ。浜野さんね、状態が良くなって、普通に病室に移ることになったんだよ。
もうよかったよ…。
昨日の夜、検査結果が良くてね」
なんだ……。良かった…。
一命、とりとめたんだね…
「ICU、でれたんだね」
「うん。それでさ、」
蒼の声が、なぜか遠くなっていく。
それは、意識が遠のいている訳で…。
段々と目の前が真っ白になる。
「…季蛍?…………ちょ、季蛍!大丈夫か!?」
そんな声を最後に、私は意識を飛ばした。