「実際………あの子泣かしてんじゃん」
笑うと凪は、頬を膨らませて
「しょうがないじゃん。注射だったんだから」
といった。
女の子みたい。
「ここの病院、結構良くなったと思う」
「そう!?」
「あぁ。かなり。雰囲気も安心できると思う。」
そうこうしているうちにも、高校生の女の子は病院に入ってくるわけで………
「俺、問診表見たあと、直接その子の所行くようにしてるんだ。
顔も雰囲気も覚えてもらうために。話も少しできるし。」
「へぇー。工夫してるな………。でも間に合うの?診察の時間」
「大丈夫。怪我とかならなおさら見ておいた方が後から判断しやすいし。その子の緊張もとける。」
「へぇ~………………すごい………」


