「パパ、私寝るね。おやすみ」
「あ、うん。おやすみ」
愛優と入れ替わるように季蛍が戻ってきた。
「季蛍?…………大丈夫……………か?」
「……え?何が?平気だよ」
「……そう?」
「うん。あ、ごめんね。夏来のこと」
俺の腕から夏来を抱えて、ベビーベッドに寝かせた季蛍は、リビングの椅子に座る。
「あのね………………………蒼」
「………ん?」
「……………………………いや、なんでもない」
「…………?」
「仕事しなきゃ。私たまってるし」
「…………………なぁ、季蛍さぁ………」
「何?」
「………………………………どうかした?」
「え?なんで?」
「目が泳いでる」
「……………気のせいだよ。別に泳いでなんか………」
「じゃあ………。俺の目、見て」
「……」


