──────────10:00
足元がふらつく愛優がリビングに入ってきた。
「愛優、大丈夫?」
背中に手を回して、椅子に座らせる。
額に手を当てると、薬の効果が切れたのか、熱が上がっていた。
「……パ、ゲホゲホ、ゲホゲホ」
「………咳止めの薬飲もっか。」
熱を下げる薬はないけど、咳止めの薬はある。
引き出しから薬を取って、水を注いだ。
「…………愛優さ、お粥作ったから、それ食べてから薬飲もう?」
頷く愛優を見てから、お椀と鍋を机に運ぶ。
「はい、」
スプーンを渡すと、ゆっくりお粥に手をつける。
咳き込みながらも、順調にお粥を食べていく愛優。
お腹がすいてたみたい。
その間に、体温計を愛優の服の中に挟んだ。
左腕を押さえて、熱を計る。
右腕を器用に動かしてお粥を食べる愛優の手が、だんだんとゆっくりになり、スプーンをおいた。
「もういらない?」
「うん…」
「じゃあ熱計り終わったら薬ね」
またむせ始める愛優。
「ゲホ、ゲッホゲホ…」
ピピピッ ピピピッ
「………んーと…………上がってんな。……」
「…………パパ、吐く…」
「……え」
立ち上がろうとする愛優を抱えて洗面所へ行く。
「ゲッホゲホ、オェ………ゲホゲホ…」
「…………大丈夫…………………大丈夫」
背中をさすりながら、水を流す。
呼吸を乱し、段々と苦しそうに顔をしかめる愛優。
「愛優?ゆっくり息してごらん?
吐くの我慢しなくていいから。」
「………ゲホゲホ…」
「………………」
しばらくさすっていると、大分落ち着いたようで、足の力が抜けて座り込む愛優。
ぐったりと壁に寄りかかっている。
この愛優を抱えて、愛優の部屋のベッドに寝かせた。
「咳止めの薬持ってくるね。もし昼になっても熱下がらなかったら、病院行こう?」
頷く愛優を見てから、リビングへ行った。


