「じゃあ、最初心音聞かせてね」
高島が聴診器をつけて、微笑むと、ぐったりしながらも首を振る愛優。
「………や」
中学二年生、なんていったら思春期真っ只中だから。
無理はない。
やっぱり、愛優も見ず知らずの医者はダメか。
「……愛優、少しだけだから」
「………………ぃゃ」
「…………………………高島、ごめん」
「いや、大丈夫です」
「…………………………………愛優さ、診察終わったら今日は病院で寝てよう?俺も季蛍も仕事だし。
だから、お昼休み好きなもの買ってきてあげる。ね、だから診察早く終わらせよう?」
「……………………………………………」
若干涙目になった愛優の服を捲り、高島が聴診器を入れる。
「……………………………………………
……………
うん、いいですよ。あとは口、開けれる?」
率直に口を開けた愛優の喉を見た高島は、微笑んでカルテに記入している。
「じゃあ、頭痛、と解熱出しときますね」
「…ありがとう」
「いえ。大丈夫です
お大事に」