「季蛍…」






「ッ」







季蛍がいたのは屋上だった。










屋上の所でうずくまっている。









「季蛍…大丈夫?ここにいたのか…」











声をかけても返事もないし、顔も上げない。












「蒼先生ッ…季蛍先生、発作でてて………」












「え?」










「……………発作、さっきまで出てたんです。なんとか治まったんですけど…、ちょっとまだ……………」












「季蛍?今から高島んところ行こう?立てる?」












「んっ、」










俺の白衣をギュッと掴んで、引っ張る季蛍。









「苦ッ…しッッ………………ッハァッ」












「真柴さん、そこ開けといてもらってもいい?」












「あ、はい」











屋上のドアを開けといてもらって、季蛍を抱える。











俺の胸元の白衣を、またギュッと掴んで、苦しそうに呻く。












「苦しい?頑張れ、もう少し。」








出来る限り急ぎ、高島の診察室に入った。