「陽、」
そっと引き寄せ抱きしめる。
肩に、手を回してポンポン、とリズムよくたたく。
「大丈夫……。不安がることないよ。俺だっているんだし…季蛍さんだって、蒼だって」
「でっ、でも………………………」
「…ん?」
言いかけて、口を閉じてしまった陽の髪をそっと撫でる。
「……わ、私………病気……?」
「……え?」
「……だって…入院するってこと、は…。重いんでしょ…?」
「……………なに言ってんの。大丈夫だよ?さっき言ったじゃん、様子見だって。」
「……だ、だけど…」
「……陽が…ね、苦しい思い、したでしょ?今日。
だから、一週間病院で少し休んで、体を休めたらまた仕事に行く。
今のままで仕事行ってたら、体に負担がかかるだろ?
だから…少しの間、病院に泊まってるってそれだけの話。何も心配しなくていいよ」
「…………………港」
「な?」
「うんッ」
「じゃ、俺仕事戻らなきゃ…。何かあったら、ナースコール!!」
時計を見て、病室を出た。