山瀬が出たあと、俺は陽の隣に腰掛けた。
「………陽」
そっと、服のボタンを外し、聴診器をつけた。
「ごめん、陽」
意識がないとは分かっていても、断りなく診察するのは、少し抵抗があったから。
「………………………」
カラカラッ
静かにドアが開いた。
蒼だ。
「……………」
聴診してたことに気づいた蒼は、声を発さなかった。
聴診器を服から抜くと、蒼が口を開く。
「陽さん、大丈夫だった?」
「………………うん…まぁ…意識がないけど…」
「……そっか。
あ、そうそう、これ」
「……ん?」
「…陽さん、しばらく入院したほうがいいかもしれない」
「…そっか」
「………うん…。さっきの発作も、かなりのものだったらしいし、ちょっと様子見」
「…わかった、ありがと」
「…あぁ…。なんか今日は発作が起こりやすいのかな?季蛍もさっき…発作が」
「季蛍さんも?」