「………立とうともしませんよ」 高島が、困った表情で季蛍をみつめる。 膝下に手を入れて、抱えようとすれば、季蛍が俺の腕を掴む。 「…………………ぃゃ…」 「……動きたくない?」 コクン、と頷く季蛍。 「…………………………。ほら、抱えるから。ならいいでしょ?」 首を振る季蛍。 「……季蛍?どうしたの。具合悪いんでしょ?どこ?」 「………」