ベットに横にして、愛優の汗をタオルで拭く。
「季蛍、熱計っといて」
「あ、うん」
季蛍が白衣から体温計をだして、愛優の腋に挟んだのを確認して、水を取った。
ピピピピッ
「蒼、8度7分」
「うん、了解」
愛優が、怠いのか、顔をしかめながら目を開ける。
「…愛優?前あけていい?」
「………う、ん…」
愛優の返事を聞いてから、ブラウスに手をのばす。
元から2、3個開いていたボタンから、更に2、3個開け、聴診器をそっとあてる。
しばらくあてて、聴診器を抜き、ボタンを直す。
「愛優?朝から怠かった?」
「…………………………そうでもない…」
「………そう?愛優さ、ここでしばらく寝てる?昼休み終わったら仕事戻っちゃうけど平気?」
「うん、平気」
「ん、じゃ、水飲もっか。汗すごいからね」
「いらない…」
「愛優。飲まないと脱水症状になっちゃうよ?」
「飲みたくない」
「じゃあ点滴する?」
「しない」
「どっちか」
「嫌」


