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目を開けると、朝。
隣で季蛍がおきあがっているのが確認できる。
季蛍は、胸に手を当てている。
「…季蛍?胸苦しい?」
「あッ…蒼起きてたの…?
………………く、苦しく、な、い」
「………首触らせて」
しぶしぶ俺の手の方に首を向ける季蛍。
そっと触れる。
「………熱ないね」
「…大丈夫だよ。もう」
「ぎゅーしよ」
「…………また?」
「……ん、じゃあ聴診器やらせてくれるんだ」
「く、くれない……」
「……ね。」
背中に手を回して抱きしめる。
「……………………………。
ねぇ、季蛍?聴診器やらせてくれない?」
「…………………え、」
「仕事行きたいんだろ?ならちゃんと心音聞いた方がいいでしょ?」
「……………う、ん」
「よし、」
俺はベットサイドから聴診器を取った。
「ほら服あげて」
「…………………」
季蛍の手がカタカタと震える。
「大丈夫だって。そんな緊張しなくても。家だよ?ここ」
「だっ、、て」
俺は前から季蛍をそっと抱きしめた。
そして、抱きしめている間に、右手で聴診器を服の中に入れる。
「ゆっくり息して」
「……ゲ、ホ……スーハー……………………」
「うん、うまいよ」
「…………ハァー。」
「よし、終わり。行っていいよ」
「ほんと!?やった!!」
「ほら、遅刻するよ」
「うんっ」