「高島、ごめん。」





「いえ。」







そう言う蒼先生の手には、点滴が。














「……季蛍?」














「あおッ…」















「…………よし、おいで」












蒼先生は、丸椅子に座り、季蛍を呼ぶ。















「………」










「季蛍?ほら、来て?


もうわかったから。脱水症状になってるんだよね?ほらおいで」















脱水症状?













蒼先生に言われた言葉に、季蛍はびっくりする。












俺もだけど。











「……季蛍、この頃何も飲んでないだろ。」

















「…………………」














「……熱出たんだから水分はとらないと。
でも無理だろうから。今日は点滴。おいで」

















蒼先生は、重い体をどうにかして、逃げ出そうとする季蛍を抱き上げ、さっき座っていた椅子に座り、季蛍を膝上に座らせる。
















「……あと、咳…我慢しなくていいから。」