「中河さんですね。
服捲りますよ?」
ベッドに寝かせた彼女が、小さく頷いたのを確認してから、聴診器を入れる。
聴診器をぬき、服を直す。
看護士が点滴を持ってきた。
「ありがとう。」
点滴を準備して、彼女の腕に刺す。
「中河さん?点滴刺しましたよ。
あと、膝の痣どうしましたか?」
「…体調、、悪すぎて…家の中で…
転んで、、しまって…」
苦しそうな呼吸をしながら、とぎれとぎれに話す。
「うん、そうですか。じゃあ冷やしますね。ちょっと見せてください」
眠りにつきそうな彼女の膝を、軽く持ち上げて、痣の様子をみる。
まだ出来たばかりの痣のようだった。
看護士にもってきてもらった洗面器に、タオルをひたし、絞って、膝にあてる。
「10分ぐらい冷やしておきますから。」
看護士に、固定するように頼み、カルテに記入する。
そのとき、そーっとドアがあく。
そこには、控えめな表情をした真柴さんが。
「…あ、季蛍?」
「……………あの、、、はい、…。
すいません、診察中…。
季蛍先生、先ほど戻してしまって…。」
「あ、戻した?そっか……。」


