「うん、じゃあ俺が診るね。その前に熱計って」
ぐったりする季蛍が、体温計を挟むのを確認して、聴診器を耳につける。
ピピピピッ ピピピピッ
「………………………上がってる。
よし、季蛍?起きてる?聴診器入れるよ?」
小さく頷く季蛍をみてから、服の裾から聴診器を入れる。
「…………うん、いーよ。
次喉。口開けて」
季蛍が壁に寄りかかりながら、口をあける。
「うん。OK。
季蛍寝よっか?体調少しよくなったら家に送ろうか?
どうする?俺帰るときまで病院いる?」
さっき、高島にも相談した…
そのときは、
“蒼先生不足だから、病院にいると思いますよ”
と。
なんだかんだで、高島の、方が季蛍のことを、よくわかってるのかもしれない。
まぁ、季蛍をわたしたりなんかしないけどな。
「………病院………蒼………………………かえ、る…」
熱が上がってきてることもあり、ボーッとする季蛍。
「ん?待ってる?」
「うん、」
「わかった。じゃあ今日は病院で寝てようか。
俺も診れるときみにくるから。ね?」
「…………うん、」
「高島、今日外来ないから、高島の診察室で寝よっか。
でも、高島今日オペの補助入っちゃうんだって。だから季蛍1人になるけど。大丈夫?」
「うん、」
「俺もちょくちょく見に来るから。ね」