そのとき、寝室のドアが開く。
「ん、季蛍起きた」
「………蒼…」
「具合悪いんだ?」
「ぐ、具合なんか悪くない!!」
「我慢しないの。」
蒼の手が、額に触れる。
そして首元。
「熱上がったな。体温計…体温計…」
蒼がリビングへと行く。
熱が上がってる、とわかりきったとこで、計ったって余計に落ち込むだけなのに。
蒼がカバンを持って戻ってくる。
「はい、腕上げて」
「……………」
「季蛍ッ」
「別に計らなくてもいいじゃん。」
蒼は呆れた顔をして、服の中に手を入れた。
そして、無理矢理体温計を挟まれた。