薬と聴診器をもって、部屋へ戻る。
「愛優。心音聞かせて」
「……」
覗き込むと、もう眠りに落ちようとしていた。
そっと服を捲り、聴診器を入れる。
「………………………………………………………パパ…」
また愛優が目を開ける。
「今、心音聞いてるから。」
微笑むと、愛優も微笑み返す。
「よし、オーケー。
薬飲もっか」
薬と水を、愛優に渡す。
「…………どうしても飲まなきゃダメ………?」
「ダメ。それとも病院行くか?」
「イヤッ、飲む」
「うん、えらい。口開けて」
少し開けた口の中に、薬と水を流す。
「よし、飲んだらまた寝てて。おやすみ」
「うん、おやすみ…」


