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仕事から帰り、玄関を開ける。












今日は、ものすごく早く帰ることができた。

















それも、高島とか、港のおかげでもあるんだけど。

















まだ、15時半。




















リビングに入るが、季蛍の姿がない。














寝てるのかな…。
















と思い、寝室を開ける。
















だが、寝てない…………。











家の中を見渡すと…………


















ベランダの所で座り込んでいる季蛍。


















「ちょ、季蛍!?」


















「あ、蒼…」















「どうした?」



















「ちょっと、めまいした、だけ。

貧血なだけだよ、大丈夫」





















「…………っていうか、洗濯してたのか?」



















「あ、うん、」


















「無理しなくていいよ。季蛍…。



動くの大変なんだから。無理すんな」




















「……うん、ごめん、」





















「っていうか、季蛍…。熱ある…?」






















「ないよ、大丈夫」


















季蛍から伝わる体温が、熱い。


















背中に手を回し、ゆっくりと立たせる。




















こんな冬に、外でしばらく座っていたとなると、こんなに冷えてもおかしくない。



















「………季蛍、冷えてる」




















ただでさえ、体を温めておかなきゃいけない。















赤ちゃんにも悪いし、季蛍自身にも悪い。



















「熱計ってみて」















「わかった、、けど、、








愛優が、」
















「ん?」