________あれは小学校二年生の時で、東京に初雪が降る三日前のことだった。 「小春、今日の試合は頑張ってね」 と玄関でお昼に食べるためのお弁当を私に手渡しながら言ったのはお母さん。 「うん……。なんか緊張するなあ」 と弱音を吐くと、 「小春なら大丈夫」 と、優しく微笑みながら頭を撫でてくれた。 私はそんなお母さんが大好きで、いつもお母さんの一言一言に励まされてきた。