聞いているのが嫌になった私は近藤さんに頼んでかしてもらった部屋に戻り膝を抱えていた。
土方を想っているのが馬鹿らしくなって来た。

「はぁ………私はバカだ…」

「溜息ですか?
幸せが逃げてしまいますよ、雪華さん。」

……………………………

え?
私は声の主の方を振り向いた。
予想通り、そこには伊藤さんがいた。

「い、伊藤さん?
珍しいな、何か用か?」

「はい、雪華さんに提案なのですが、私新選組を抜けて新しい隊を作ろうと想っているんですよ」

新しい…隊を…?

「良かったら雪華さん、私共とこちらに来ませんか?
嫌なことは忘れて、新しい人生を行くのも悪くわないでしょう?」

新選組を…抜ける…。
今の私にはいいかもしれないな、土方には沖野がいるし、私なんていてもいなくても…





「屯所内で堂々となに口説いてんだよ伊藤さん
そいつは俺のだ、勝手に口説かないでもらおうか」

何で…………………?
なんでなんでなんで、なんで来たんだよ…土方……

「俺の…ですか?
ては、何故彼女を悲しませるのか、説明してくださりますか?」

「あんたには関係ない
出てってくれ、こいつと話があるんだよ。」

「そうですか
雪華さん、また来ますね」

そう言うと、伊藤さんは出て行った。