クウと帰り道。
俺の人差し指をクウが握るのが、俺らの手の繋ぎ方。
冬になると俺の手が冷たいからって言って普通に繋ぐけど、俺はどっちかって言うとこの繋ぎ方の方が好き。
赤ちゃんが親の指を握ってる様子がクウにも連想されて、なんでだか愛おしく思える。
「アオくん、忘れてると思うけどもうすぐアオくんの誕生日だよー」
・・・なんで俺が自分の誕生日忘れてるって分かったんだ。
今クウに言われて気付いたけど、一週間後は俺の誕生日だ。
うわー・・・、俺十七歳になるのか。
通りで中学生が眩しく思えるわけだ、実際は十七歳だけど最近は体の老体化が加速してる気がする。
「アオくんプレゼント何がいー?」
プレゼント、ね。
物欲無いから欲しいものなんてないんだけどなー。
「あ」
「何何ー?何か思い付いたー?」
いや、思い付いたは思い付いたけど・・・。
自分の思い付いたモノにキモイなって思った。
でも、これ以外って言われても・・・。
「なになになになにー?」
キラキラした目。
俺にプレゼントあげるのがそんなに嬉しいのかな。
「・・・引いたらダメな」
「引かないよ!」
クウ言ったな。
これで引いたら俺落ち込んむ、確実に落ち込む。
足を止めて、クウの目をじっと見つめる。
「クウが欲しい」
「へ?」
「俺はプレゼントクウが欲しい」
目を見開いて、それから段々赤くなっていくクウ。
ふ、面白い。
遂には首も耳も真っ赤になっちゃって・・・、口をパクパさせて金魚みたい。
「あ、あの・・・えと、いいの?」
「何が?」
「後悔しない?」
後悔?
正直、クウの質問の意味がよく分からないよく分からない。
さっきまで真っ赤だったのに、不安そうに俺を見上げて・・・。
「私スタイル良くないし、それに」
あー・・・可愛い。
クウが何か言いだそうとしてたみたいだけど、俺はそれを無視してクウを引き寄せた。
小さくて華奢なクウは、もう少し力を入れたら壊れてしまいそうだ。
「俺は後悔しないよ。ただ、クウが欲しいんだ。」
こんなに愛おしい存在を抱いて俺が後悔するなんて有り得ない。
「クウを、頂戴」
「・・・うんっ」
背中に回ってる手が俺のシャツをクシャっと掴んだ。
俺は無意識に胸に埋まるクウの頭にキスをした。