懐かしいわー、ヒナタ。
確かに美人だな、うん。
だからと言って俺のタイプじゃないけど。
「白状しなさーいアオくん、この子は元カノですかー?」
「・・・ふは」
余りにもクウが真剣な顔で聞いてくるから吹き出してしまった、いやー、そんな顔も可愛い。
俺のストライクゾーンど真ん中だよ、あー好きだ・・・。
何でもない時にふと自覚するよねー・・・、俺ってクウに惚れ込み過ぎだなって。
まぁ、こんな自分も嫌いじゃない。
中学の頃じゃ考えるられないけどね。
絶対中学の頃の俺が今の俺を見たら顔を顰めて「気持ち悪い」って言うだろうな。
「もー、アオくん白状しなさーい」
「はいはい、ヒナタは友達いない仲間だよ」
「え、アオくん友達いなかったの?」
「うん、高校に入ったら出来た」
それもクウのお陰なんだよね。
俺は喋るのがあんまり得意じゃないし、おまけに顔の表情筋も鈍いし、目付きも良くない。
まぁ、良く言えばクール。
が、中学の頃は一匹オオカミの根暗だと思われてた。
自分で思い返してもクールって言うより根暗だったな。
そんな時、ヒナタも一人で居て、お互い似たもの同士で気があって一緒に居た。
「良かったー、アオくんに友達出来て」
「クウがサポートしてくれたからだよ」
「えー?何かしたかなー?」
うーんと考えてるけど、クウじゃ多分分からない。
無意識に人を引き込むその笑顔と気さくな話し方、自然に周りを巻き込んでしまう魅力。
その流れで俺にも少しだけど友達ができた。
・・・いや、まぁ嬉しかった。
絶対周りの奴には言わないけど。
「じゃーヒナタさんにも友達出来てるといいねー」
さっきまでヒナタに嫉妬してたのに、今度は心配しちゃって・・・。
「そーだな、てゆーか寝よ」
眠い。
クウをベットに引き釣り込んで抱き枕にして目を閉じる。
あー、安心。
俺の胸に擦り寄ってくるクウに愛らしい気持ちが溢れて、でも頭の片隅でヒナタの事を考えてた。
・・・アイツ、友達出来たんかなー。