春休みが終わって学校が始まって二ヶ月。
ポカポカ陽気に優しい風。



「そろそろ起きてー、アオくん」


起きない頭を必死に起こして少しだけ目を開ける。

あー・・・、可愛い。

膝枕をして寝ている俺の顔を上から覗きこんで笑う顔。

うん、この顔も好き。

頭を起こして、チュッとリップ音がなるフレンチキスをする。

案の定顔は真っ赤。



「ふっ」



「笑わないでよー、凄く恥ずかしいーのに」



こんな事で真っ赤になるなんて、どんだけ純粋なの。

付き合って半年以上経ったし、本心ではもう抱いてしまいたいんだけど。



「うん、俺も」



真っ赤なクウに吊られて頬が赤くなりそうな俺も、充分ジュンスイな気がしてきた。



「嘘だー」

「顔に出にくいだけ」

「そーかなぁ・・・あ、今日泊まっていい?」

「うん、母さんも来ないかなーって言ってた」



週末の金曜日、クウは時々泊まりに来る。

母さんもクウが好きだから毎日でも泊まりに来ないかなー、なんて言ってた。

いや、俺の方が好きだけどね。

クウが泊まりに来ると何時も引っ付いて離れない。

俺がクウとマッタリする時間が少なくなるから切実に辞めて欲しい。



「わー、嬉しい。私エミさん大好きー」



・・・親に嫉妬なんて小さいって、友達には言われたけど仕方無い。



「俺はー?」



だって、クウにとって俺が一番好きな人であってほしい。

それはクウの友達も含めてだから、クウの親友の・・・名前何だっけ。

まぁ、その親友が一番のライバルだな。



「アオくんはもっと大好きー」



・・・のっくあうと。

ほんと、可愛い。



「教室、戻るか」

「うん」



小さい手を握って、握り返してくれる少しの力に凄く安心した。