どういう意味なんだ?
まさかヒナタが偽名とは思えない。
「‥‥私はっ、私は‥‥っ」
その時、ヒナタが勢いよく振り向いた。
その顔はいつものクールなヒナタからは想像もできない程人間らしかった。
止めどなく流れる涙はあまりにも綺麗で、悲痛に歪む瞳は今までになくヒナタの意思が現れていた。
「私はっ、ヒナタなのにヒナタじゃない‥‥っ」
「私は!日和じゃない!」
そんなの当たり前だろ。
日和って誰だよ。
必死に叫ぶヒナタとは逆に俺の頭は冷静で、何故か落ち着いていた。
「私は‥‥っ!」
あぁ、ヒナタはいつもクールな仮面の下にこんな感情を隠してたのか。
やっと、本当のヒナタを見れた。
そんな気がした。
