高校に入学して初めて隣になったのがアイツだった。
懐かしいフワフワとした独特の笑い方を見てすぐに分かった。
中学校は地区が違って一緒じゃ無かったけど、小学校の時も俺はあのフワフワした笑い方が好きで同じクラスになれた時は嬉しかった。
…あー、懐かしい。
そーいえば俺、小学生の時から好きだったんだ。
「ふふ、そんなに見られたら恥ずかしいよー」
隣にある暖かい温もりとフワフワの笑顔。
「ねー、俺お前の事好きなんだけど」
高校で再開してから、放課後で二人だけの時間。
照れ隠しでなんてことないように告白したけど、内心は心臓がバクバクしてたのを覚えてる。
何故か何時もすぐには帰らないアイツが気になって、それから放課後は何時も施錠の時間まで教室で喋って、帰りは駅まで一緒に帰る。
そんな時間が凄く好きだった。
「俺と付き合って」
でも、
「…っうん」
涙を溜めた目を細めて笑ったアイツの顔が一番好きになった。
高校生一年の秋、俺はアイツと付き合った。