ヘンアイ



僕の心は、今まで以上に安定している。



次の日。
10月16日。
青く晴れた空。 
バイトのお昼時間。

いつものように
2つのお茶と2つの手作り弁当を持って
近くの公園のベンチに座る。

13時になると
決まってここにやってくる人物がいる。


「よぉ」


「時間ぴったりだね、涼」


僕の元大学の友達、涼だ。

今年の2月。
僕は家庭の事情で
大学を辞めてしまったのだ。


「大学のほうはどうなの?
ちゃんと行ってる?」


「あぁ、まじめにな。
辞めちまったお前とは違って」


「しょっちゅう昼から来て
単位ギリギリだったやつに
言われたくないよ」

そう言ってクスッと笑ってみせると
涼はつられて微笑み、僕の隣に腰かけた。