殺人ゲーム

「それで、俊弥は何されたの?」


真希さんがメモ帳に何やら書き込みながら聞いてくる。


「んー…まあ、無視とか物隠されたりとか?」


「成る程ね。無視や物を隠す行為は大人数じゃなくてもできる事だし、少人数で目立たないようにやれば誰がやったか検討が付きにくいと思うよ」


樂君がうんうんと頷きながら推測している。


「そうなの?よく分からないけど……」


「それが駄目なのよ俊弥!」


「ひいっ」


真希さんが大声を出して顔を近付けてくるものだから、恥ずかしくて変な声が出た。


「やられたらやり返す!倍以上にしてお返ししてやるのよ!」


このパターンは非常にまずい。


真希さんが熱く語り始める前に止めなくては。


「あ、あの、真希さん…」


「相澤さん。今はそれどころじゃないよ。
あいつらの行動パターンを読まなくちゃいけない。そこが一番大事でしょ?」


樂君が真剣な顔で言う。これには真希さんも大人しくなった。


「そ、そうね。まずそれよね」


いつの間にか立ち上がっていた真希さんは大人しく座った。


「まあその辺は任せてよ。観察力なら自信あるし?」


「へえ、じゃあテストしてみましょうか。
俊弥にはある大きな秘密があるの。それを転校生君が見抜けたら認めてあげるわ」


「え、僕の事当てるの!?」


確かに僕には秘密がある。


ほとんど父さんのせいだけど。


「分かった。やってみるよ」


じっと樂君は僕を見つめた。


全てを見透かすように。心の内まで分かってしまいそうな瞳。


これが観察力のある人の目か……


「うん。大体分かった」


樂君は元の瞳に戻り、にぱっと笑ってみせた。


「ふうん。じゃあ答えてもらおうかしら」


真希さんは腕を組んで勝ち誇った表情。


「名前は南俊弥。父親はこの中学の校長。南玲弥(れいや)という兄がいる。
ここまではあってる?」


「すごいね。合ってるよ」


「続きいくよ。多分僕の推測だとこれが秘密だと思う。
父親のちょっと異常な趣味…武器を集める事でしかも各部屋に必ず一つ置く。
そして俊弥の部屋には大鎌…つまり死神が使うような鎌がある。あってる?」


笑顔で首を傾げる樂君に感動を覚えた。


「すごいよ樂君!全部当たってる!」


「すごいじゃない転校生君。これなら任せられるわね」


僕も真希さんも納得した様子。


「よし、じゃあ明日から転校生として扱われるから、その日から観察するよ」


いつものにぱっとした笑顔を見せる。


樂君って本当にすごい。でも、何処か不思議。


その辺は、真希さんに似ているのかもしれない。