クッションには白堵、ベッドには美影。


テーブルの上に汰緒、本棚の前に菜戯。


みんな、さっそく自分の好きな場所に走っていく。


その姿が可愛くて、あたしはクスッと笑った。


なんだか、その姿を見ているだけで嫌なことが忘れられるようだった。


「なぁ、月奈」


「なに? 美影」


「今日、花火は?」


「花火?」