☆☆☆

あたしが次に目をあけたのは、陽菜ちゃんの声が聞こえたからだった。


「月奈、寝ているの?」


仕事から帰った陽菜ちゃんが、あたしを呼ぶ。


「……今、起きた」


もぞもぞとベッドから起き上がると、陽菜ちゃんが部屋へ入ってきた。


「どうしたの月奈。泣いていたの?」


そう聞かれて、あたしはハッとして自分の目のまわりにふれた。


そういえば、少し泣いてしまったかもしれない。