バカな担任でも非常事態ということを察したらしく、自分のスーツの上着を私の頭にかぶせ、保健室へ連れて行った。
その通路で夜都くんと会い「どうした、大丈夫か?」と聞かれたが、スルーして保健室へ向かった。
ベッドに座らされると、担任は床に膝をつき、私と目線を合わせて喋った。
「どうしたんだ?」
私は嗚咽で声にならず、首を横に振るだけだった。
「友達関係か?」
少しびくっとしたが、友達に対する感情ではないので、首を横に振った。
すると、担任は察したのかははと笑い
「恋か」
と言ってきた。
なんてデリカシーのない奴なんだと思いながらも、顔が赤くなる自分が腹立たしかった。
「んで、ヤキモチ妬いたわけな、ははーん」
面白がって聞く担任(仮)が憎たらしく別の意味で泣きたくなった。
「まあ、俺は鈍いから分かんないけどお前が恋とかっ」
腹を抑えながら笑う担任に呆れ、私もつられて笑った、そして
「私もこんな自分が笑えるほど気持ち悪いです」
というと担任は
「はは...はぁ......少し妬けちゃうなぁ...」
と言った。
反射で「は?」と言ったときには顔がすぐそばにあった。
「ちょっ、せ、せんせいっ...!?」
キスされる...と思い目を瞑った瞬間、
「なーんてね、これで涙引いた?」
とニコニコしながらいう担任に
「涙の代わりに吐き気が込み上げてきました。」
といい2人で笑っていた。
この人いい人だったんだと今更気付き、ありがとうと言えば担任は大したことしてないよと言うだけだった。
「そろそろ教室戻るか、ホームルームの時間過ぎるぞ」
「はい」
そして、保健室を後にした。