家に帰り、ベッドに横になると凄い勢いで眠ってしまった。
ケータイが鳴っているのにも気づかずに。
目が覚めると夜11時を過ぎていた。
慌ててお風呂に入り宿題をしようと思った時、ケータイが鳴った。
宣伝かな...と思い開いてみると、そこには夜都という名前の人から電話が入っていた。
誰だろうと思いながらも5件も通知があったので電話を掛けてみた。
そして出たのは...あの朝私に棘を刺したあの男子だった。
「...何してたんだ......出んの遅ぇ...。」
いかにも不機嫌丸出しだったがその声は低くいわゆるイケボだった。
そう思考を巡らしている間に変な間が空き、静かな沈黙の中ぐうーっと私のお腹が鳴った。
恥ずかしすぎる痴態に勢いで電話を切ってしまった。
やってしまった...と想ってる暇がなく電話が鳴った。
笑われるんだろうなと思いながらも受け取ると以外な反応で
「...腹減ってんなら何か食えよ。」
と優しい言葉を掛けられ色んな気持ちで泣きそうになっていた。
でもここで泣いては会話が続かないと思い
「ありがとうございます...用件は?」
と本気で繕うと
「あぁ....宿題明日集めるそうだ...。」
「.........はい?」
「......明後日、担任がいねぇから...明日集めるって連絡網だ...」
「きゃああああああああ‼︎‼︎」
悲鳴をあげるだろう、それは。
あと何ページ残ってると思ってるんだ40ページだぞ。
呪うYO☆
訳のわからないテンションになり歯止めの効かない私に夜都君は
「うるせぇ...」
と一言。
それで静まった私はなんなんだろう。
「...まぁ、俺もやってねぇから気にすんな......」
気にします。すっごい気にします。
ただでさえ頭が酷い出来なのに.....
「うぅ......」
と唸っていると
「お前頭悪りぃだろ......」
ふっと笑いまじりに言われこれには腹が立った。
「な、なななんで知ってるんですっ...?」
「.......見た目。」
言葉のナイフだ。鋭すぎる。ひどすぎる。
「私...そんな馬鹿に見えますか...。」
「あぁ、見える。」
「...初めて言われました。」
「眠い、お前が起きんの待ってたら寝れなかったクソが......。」
あれ、話が噛み合ってない気が...
そしてその時電話が切られた。
口の悪い人だが、私が起きるまで待っていてくれたということは優しいのだろう。
そう思うと心臓のとくんとくんが止まらなかった。