「そんな訳には」
いかないです。と言葉を続ける筈が、そこで、彼に言葉を捩じ込まれる。
「いつも僕、一人じゃ食べきれてないんで」
確かに、私もポップコーンを買うが結局は半分しか食べれていないという事も多い。
「でも、でも……」
だからと言って、私が彼の買ったポップコーンを食べて良いとはならないのだ。
劇場から出ると、売店が目に入る。
「もう一度ポップコーン買いましょうか?」
「流石にもうポップコーンはお腹一杯です。だから、気にしないで下さい」
ですよね。
この答えは何となく予想出来てたかも。
だって、私も映画を観終わった後にもう一度ポップコーンを欲しいとは思わないもん。
映画を観ながら食べるのが最高なんだ。
分かってるんだけど、
「で、でも……」
と言ってしまうのは、もうどうしたら良いのか分からないから。
そんな私の気持ちを察してくれたのか、隣を歩く彼が足を止めた。
右手で自分のふわっとした焦げ茶色の髪をわしゃわしゃと乱す彼。
今更ながら、こうじっくりと彼を見るとクリッとした目にスッと通った鼻筋。薄い唇。
彼はなかなかのイケメンってやつだと思う。
「あー、じゃあ、そのー……」
「はい?」
「お昼ご飯、一緒にどうですか?」
「えっ!?」
思いもよらない彼からの提案に声をあげてしまう。
だって、何でお昼ご飯を!?
私と!?


