「え、あの……」

誰だっけ、私の知り合いにこんなイケメンいた気がしない
第一高校に入って3ヶ月くらいで行かなくなったし

「詫間、琉李だろ…プリント、届に来てやった」

「どうも」

同じクラスの男子か、わざわざご苦労様です

こういうのちゃんとやる人いるんだ、男子なんて尚更しっかり届けると思わなかった
恐る恐るプリントが入った封筒を受け取ると

「じゃあな、お前も学校来いよ」

オレが面倒だし

そういって背中を向けて歩きだしたイケメンに
誰が行くかバーカ、と悪態をついてドアを閉めた

封筒を見れば、学級通信、学年通信、修学旅行先の話
特に私には必要のないものばかり、テーブルに封筒を置いて自室へ走った

あのイケメンは誰だったか

ベッドへ寝転がると目を瞑り、記憶を探る
誰だったか、あの綺麗な茶髪と色素の薄い目、男にしては白い肌

「あ……そうだ、黒原太一だ」

学級委員をやるほどの真面目で勉強もできて、さらにイケメン

女子にモテないはずがない人物で、学校中の噂だった
そういえば、同じクラスで「目の保養だけど、女子がなぁ」とか思ってた気がする

でも、あんな喋り方だったっけ
まあ考えても、仕方がないか

家、近いんだ
初めて知ったな