私が髪を切った訳






他校との交流行事はさまざまあれど、わたしにはいずれも無縁に思える。






麗らかな春の日差しに目を細め、かつて、一度だけ褒められた髪を、凍えた心で梳る。







もう頭を撫でてくれる人はいない。いや、撫でて欲しい人はいない。





頭に触れて、髪を褒めてくれることはもう、きっと――。








抱きしめるように髪を頬に寄せる。








先生のくちびるを、わたしはもう、忘れてしまった。








変わりゆく季節がうらめしい。