呆然とする先生の表情に、わたしはすこしだけ、持ち直した心地がした。 それなのに、次に息をしたら、とたんに泣きそうになって、くっと唇を結んだ。 「わたしのうれしいこと。これでも、人それぞれなんて、言える?」 先生は口を開け、しかし言葉が見つからないのか、瞬きばかり忙しい。