風が吹いた。 どこから運ばれたのか、白梅の花びらが手紙の上に舞い落ちる。 ほつれた髪がひと房、顔にかかった。 ずっと下ろしっぱなしにしていた長い髪をつまんでみる。 全然惜しくないと言えば、嘘になる、けれど。 彼女の心は、定まっていた。