明くる日、わたしは友人に呼び出され、馴染みの喫茶店にいた。 「昨日休んだでしょ。離任式とはいえ、いろいろ配布物あったんだよ」 「ごめん。忘れてばあちゃんち行ってた」 嘘をつき、友が差し出したプリント類を受け取る。 「まあいいけどね。あっ、うちら、来年も同じクラスだったよ」 「もう発表されたの?」 「二年だけはね。言ってもほとんど持ち上がりだし」 それからひとしきり昨日の話を聞いて、ふと友人が、 「それで、ね」 といくらか改まった声で言った。