大工さんに恋していいですか?おまけ追加中

「じゃあ、私はこれで」

私は早くここから立ち去りたくて、そう言っていこうとするが。


「今日は、ここ、誰も来ないから、ここで食べてけば?」

そう言ってニコッとする洋二。

私は眉間にしわを寄せる。


「・・・何で、私にかかわるの?…私は博さんの彼女だから・・・

もう、かかわらないで」


「…人の気も知らないで」

そう言った洋二の顔は、ちょっと切なげだった。

そのせいか、次の言葉が浮かんでこない。


「何度も電話したのに、出なかっただろ?

…ずっと、羽菜の事探してた。丁度、転職を考えてた時に、

羽菜と自然消滅みたいになって…オレがどんな想いでいたか知ってるか?」


「…洋二」

…確かに、仕事で電話には出られない事が多かった。

かけ直すこともしないで、洋二の事をほったらかしにしてたのは事実。

でも、洋二も、何度か電話をくれただけで、私の前に現れる事なんてなかった。


私を探してるなんて、知るはずなかった。