大工さんに恋していいですか?おまけ追加中

そしてショールームに向かっていると、

多田さんが私に話しかけてきた。


「羽菜さん」

「・・・なんですか?」


「不安な思いさせて、ごめんなさい」

「・・・え?」


外に向けていた視線を、パッと多田さんに向けた。


「私、本当に博さんが好きだった」

「・・・・」


「でも、私の想いは、博さんや貴女を苦しめる想いでしかなかった」

「…多田さん」


「博さんに言われて、目が覚めたの。

オレの大事な人は羽菜だけだって、怒られちゃった」


「・・・あの」


「もう、あなた達の邪魔はしないから。

インテリア設計士として、最高のプランを立てるから。

これからよろしくね」


「・・・はい」

多田さんは、きっと根の優しい人。

そう思えた瞬間だった。