大工さんに恋していいですか?おまけ追加中

「こんなに可愛らしいお嫁さんを連れてきてくれた。

母さんもきっと喜んでるだろう。その目には見えなくても、

きっと手を叩いて喜んでるはずだ。

39にもなって、嫁一人連れてこなかったんだからな」

そう言ったお父さんは高らかに笑った。



「羽菜さん、こんな息子だが、宜しくお願いします」

そう言ったお父さんの顔に、もう笑顔はなく、

真剣な表情で言うと、しっかり頭を下げていた。


「こちらこそ、精一杯、博さんを幸せにします」

涙を拭い、お父さんに頭を下げた。


・・・その後は、楽しい話をたくさんしながら、

お昼ご飯を一緒に食べ、3時過ぎには、家を出た。


…夕方。夕日が見え始めた頃。

博さんは、家とは違う方向に車を走らせていた。

・・・町が見渡せる高台。

そこで車は止まった。


「…ここ、母さんとよく一緒に来てたところなんだ」

「…静かで、落ち着ける場所ですね」

「…羽菜」

博さんの言葉に振り返り、博さんを見上げた。