大工さんに恋していいですか?おまけ追加中

「息子夫婦が来る前に、博さんが作ってくれた我が家を、

是非、羽菜ちゃんに見てもらいたいね・・・良いだろ、監督さん」

そう言って博さんの向こうに視線を向けた。

…陰になっていたせいか、現場監督には気づかなかった。


「…お久しぶりです」

私はそう言ってペコリと頭を下げた。

監督の、洋二は、フッと微笑んで私に頭を下げ。


「もちろん、私は構いません、三浦さんがよろしければ、

是非中に入って見学してみてください」

そう言った洋二は、玄関に置かれた、スリッパを、用意してくれた。



「・・・じゃあ、お言葉に甘えて」


私はやっとはいる事を決め、スリッパを履くと、中に入った。

玄関は純和風な感じ。…でも、タイルが使われていて、和風過ぎるのを

抑えてくれている落ち着いたもの。


ひとたび中に入れば、そこは洋風な、リビングダイニングキッチン。

ざっと25畳はあるかという大きな部屋だった。

キッチンには、システムキッチンが置いてあり、何かと便利な収納や、

IHも完備されていて、奥さんでも、おばあちゃんでも、

安心して使えそうなキッチン。

ダイニングには、5人分の椅子。こげ茶で統一された木製のテーブルが、

とても綺麗だった。