大工さんに恋していいですか?おまけ追加中

帰りの車の中、祐司と楽しく会話をしながら、

目的地に到着した。

「お疲れ様でした」

「おう、お疲れさん」

いつもの挨拶を交わし、オレは真っ直ぐに家路につく。


車を駐車場に止め、家の中へ。

…ドアを開けた途端、いい匂いが漂ってきた。

その時だった。

パタパタと、スリッパの音を鳴らしながら、羽菜が早足でやってきた。


「お帰りなさい、今日もお疲れ様でした」

そう言って微笑んでくれた彼女がたまらなく愛おしくて、

ギュッと抱きしめる。

「ただいま」

オレの言葉に、微笑みは満面の笑みに変わる。


…今、この瞬間、本当に幸せだと感じる自分がいた。


「お腹空いてますよね?今、温め直してたところだったんです。

博さんが、帰るメールをしてくれたから。手を洗って来てください。

お皿によそっておきますから」

そう言った羽菜は、そそくさとキッチンの方に向かった。

…もう少し、羽菜を抱きしめていたかったんだけどな。

そう思ってフッと笑ってしまった。

「博さん?」

「…なんでもないよ、手を洗ってくるから」