大工さんに恋していいですか?おまけ追加中

・・・ふぅ。

思わず大きな溜息をついたのは、午後10時になるころだった。

今日は、羽菜は現場には来なかった。

社内研修、一日会社に缶詰め状態とかで。

会社務めだって楽じゃないだろうな。

ましてや保険外交員となると、外回りは多いし、客の対応も

大変だろう。


・・・あぁ。早く羽菜に会いたい。


「…よし、そろそろ上がるか」

「はい、お疲れ様でした」

そう言って笑顔を見せた祐司。

そんな祐司のこめかみには、汗が滲んでいた。


「…祐司、悪いな」

「・・・え??何がですか?」


「最近、ピリピリしてるから、仕事やりにくいだろ?」

2人だけだから、ここは素直に謝る事も大事。

本音を言うのがとても大事な事だ。

いくら下っ端だと言っても、これだけ不機嫌な奴を相手にするのだ。

一日の苦労もハンパない。