大工さんに恋していいですか?おまけ追加中

家を出たオレは、いつもの所で祐司を乗せ、

現場に向かう。

新たな新築物件の仕事も詰まっていて、

尚且つ、今の現場の大工仕事も時間ギリギリのところで、

現場は空気が張りつめていた。


…きっと祐司は、仕事がやりにくいだろうな。

ずっとピリピリしているオレに、腫れ物でも触るかのように

接しているのだから。


「いい加減にしてもらえませんかね、電気屋さん!」

家の中、オレの怒声が飛ぶ。

…もう少しで終わりだって言うのに、電気工事のミスで、

壁を剥がなくてはならなくなった。


「すみません・・・」

電気屋はただただ申し訳なさそうに、謝っている。

・・・謝って済む問題ではない。

最初から手抜き工事にイライラしていた。

どこもかしこも中途半端。おかげでこちらも仕事が進まない。


おまけにしょっちゅう現場を離れるから、尚更仕事が進まない。

オレの怒りも限界に達していた。


「最初からイライラしてたんですよ。

こんな手抜き工事するくらいなら、現場にはもう入らないでください。

施主に顔向けできませんよ・・・楽しみに待っている施主さんの事を考えるなら、

もっと真剣に、最高のものを提供してくださいよ」